いろいろ作業や学習が停滞気味(暇なの)で、少し前に話題になった某国の日本からのホタテ貝の輸入制限の背景について少し調べてみました。

中国政府 日本の水産品輸入を全面的に禁止と発表 処理水放出を受け 日本テレビ放送網 2023年8月24日 14:55

【速報】日本産水産物の禁輸を解除へ 中国側が段階的に実施と発表 中国産魚介類の価格も上昇 “海鮮離れ”に不満もイット!2024年9月20日 金曜 午後6:35

Φ国が抱える内外の様々な問題から考えると、国民の不満を逸らすはけ口、国際的な世論操作、領土問題に関する日本へのけん制、などが目的だと言えるでしょう(個人的感想)。

次に日本の貿易統計資料から、ホタテ貝(生・蔵・凍・塩・乾・くん製※)とホタテ貝(調整※)が輸出品項目としてたてられていますが、前者のほうを主に見ていきます。

2023年の農林水産物輸出入情報・概況(農林水産省公表資料)の輸出の実績を見てみます。https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kokusai/index.html

2023年の我が国の農林水産物の輸出額: 約1兆3,581億円(前年比1.6%増加)

>うち、水産物は3901億円

>>うち、Φ国向け水産物は610億円、ホタテ貝は689億円(前年比△24.4)

>>>うち、Φ国向けホタテ貝は259億円(ホタテ貝輸出額の37.6%)

日本からΦ国への農林水産物の輸出品目中、アルコール飲料322億円に次いでホタテ貝が大きな金額を占め、水産物中ではトップです。これに香港への輸出額51億円(7.4%)を単純に加算するとホタテ貝の約45%が、Φ国香港向けということになります。Φ国にとって処理水問題で言い掛かりをつけるのに良いカードなわけです。また現在日本政府は(2013頃から)農林水産物の輸出に力を入れていて2025年には輸出額2兆円という新たな目標も掲げ、輸出促進に向けた取り組みを進めているところでした(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2203/spe1_01.html)。Φ国からの様々な嫌がらせともとれる行為にも関係者の対応が慎重になるわけです。 

このように輸出先を政治的に不透明不安定な一国に依存することは大きなリスクを伴う。これらのリスクを回避するためには、政府はもちろんやっているだろうが生産業者や輸出業者も、輸出先の多様化、リスク管理戦略の導入、国際情勢の綿密な監視が必要ということですね。

※(AIによる説明)ホタテ貝の輸出品目における「ホタテ貝(生・蔵・凍・塩・乾・くん製)」のカッコ内の意味は、それぞれの加工方法を示しています。以下に簡単に説明します:

  1. 生(なま): 新鮮な状態のままのホタテ貝で、加熱処理や加工がされていないもの。
  2. 蔵(ぞう): 冷蔵保存されたホタテ貝。生ではあるが、低温で保存されることで鮮度を維持しているもの。
  3. 凍(とう): 冷凍されたホタテ貝。新鮮な状態を保つために急速冷凍されたもので、解凍後に調理される。
  4. 塩(しお): 塩漬けされたホタテ貝。塩で保存されることで長期間保存が可能となり、風味が変わることもあります。
  5. 乾(かん): 乾燥ホタテ。水分を除去することで長期保存が可能で、だしや料理に使われる。
  6. くん: 燻製されたホタテ貝。燻煙処理により風味が加わり、保存性も高められています。

「ホタテ貝(調製)」という分類は、ホタテ貝に対する特定の加工が施されたものを指します。この「調製」とは、調理・加工されて食べやすくなった状態のことを意味し、例えば貝殻から取り出され、味付けされていたり、加熱処理(蒸し・焼き)されたりしているホタテ貝が含まれます。具体的には、缶詰、レトルト食品、または調理済みの冷凍製品が「調製ホタテ貝」として該当します。

注)もしかしたら統計の視方を誤っていたり数値の転記ミス計算ミスがあるかもしれないので必要な方はリンク先で確認ください。2023/10/08表現を微妙に穏やかにしました。